スマホやパソコンの電磁波は「実は無害」 迷信が不調につながる“ノセボ効果”とは何か?

電子機器が発する放射線は人体に有害か?

オリビア・ゴードン:あなたが今このSciShowのエピソードをご覧になっているということは、あなたは電子機器のそばにいらっしゃるということでしょう。実は1~5パーセントの人たちは、電子機器のそばにいることで吐き気がしたり、めまいがしたり、皮膚にかゆみが出たり、不快な症状が出るというのです。

スマホやパソコンの電磁波は「実は無害」
迷信が不調につながる“ノセボ効果”とは何か?

彼らは自分たちの症状が、Wi-Fiルーターなどから出る電磁放射線に体が過敏に反応してしまう「Wi-Fiシンドローム」というものであると信じています。彼らの症状は本当ですが、医師たちはその原因は全く異なるものであると考えています。

日々の生活で浴びているルーターの電磁波で、体に不調をきたすという考え方は理にかなっているように思えるかもしれません。

電子機器は放射線を出しますし、放射線は体に悪いですよね? しかし実際は、そのような電子機器から発せられる放射線は、原子炉から出るような電離放射線とは異なるものです。

30ヘルツから30ギガヘルツの周波の電子波は、原子の構成を変えることができるほど強力ではないのです。そんなに強力な放射線を体に受ければ、誰でも体に感じるでしょう。

何分かレンジで温めた食品を見ればお分かりになるでしょう。あなたのWi-Fiルーターは、あなたの細胞を温めるほどの放射線を放出していません。それだけでなく、非電離放射線が人間の健康に害を及ぼすという決定的な証拠は出ていません。