5G対応の最強モバイルノート「レッツノートFV1」。初の3:2画面や大型ホイールパッドの使い心地を検証

縦長の14型ディスプレイ採用ながら、14型で最薄かつコンパクトで優れた堅牢性のボディ

 レッツノートシリーズと言えば、圧力や落下などに耐える優れた堅牢性、圧倒的な長時間駆動、申し分ない性能などの特徴を備えることで、国内のビジネスモバイルPC分野で圧倒的な支持を集めている。

 ただ、近年働き方の変化で自宅などでのリモートワークが増えてきており、ビジネスPCにはモバイル性能だけでなく快適な作業環境も求められるようになってきた。

 そこで新たに登場したレッツノート FV1シリーズは、そういった新しい働き方に対応し、モバイル性能を追求しつつ、据え置きノートPCとして利用する場合でも十分な快適性を実現するために、様々な新仕様が取り入れられている。

 その新仕様の中で最も大きな特徴となるのが、レッツノートシリーズとして初となるアスペクト比3:2の14型ディスプレイの採用だ。ディスプレイについては後ほど紹介するが、縦の解像度が増えたことにより一度に表示できる情報量が増え、作業の効率が大きく高められている。

ディスプレイを開いて正面から見た様子。シリーズ初のアスペクト比3:2の14型ディスプレイを採用するとともに、ディスプレイベゼルがかなり狭められている

 しかも、大型のディスプレイを採用しつつ、ボディはコンパクトにまとめられている。サイズは約308.6×235.3×18.2mm(幅×奥行き×高さ)。14型ディスプレイ搭載の既存モデルであるLV9と比べると、幅が24.4mm短く、高さが6.3mm薄くなっている。奥行きは10mm長くなっているが、これはディスプレイサイズは同じ14型でもFV1はアスペクト比3:2のディスプレイを採用しているため。幅だけ見れば、競合の他社製13.3型モバイルノートとほぼ同等で、十分コンパクトにまとめられている。

左右ベゼル幅は約5.3mmとシリーズ史上最も狭く、上下のベゼル幅も狭められている底面。フットプリントは308.6×235.3mm(幅×奥行き)。縦長ディスプレイ採用で奥行きはやや長いが、それでも13型クラスとほぼ同等のコンパクトさとなっている

5G対応の最強モバイルノート「レッツノートFV1」。初の3:2画面や大型ホイールパッドの使い心地を検証

 このコンパクトボディを実現するため、FV1シリーズではディスプレイのベゼル幅が大幅に狭められている。特に左右ベゼル幅は約5.3mmと、シリーズ史上最も狭くなっている。左右に比べて上下のベゼル幅はまだ多少厚いようにも感じるが、そちらも狭められており、ディスプレイ面の画面占有率は既存モデルに比べてかなり高められている。

 さらに、ボディの薄さも極められており、高さが18.2mmと、20mmを切る薄さを実現している。これは14型のレッツノートシリーズとして史上最薄であり、ひと目見ただけでもかなり薄くなったという印象を強く受ける。

本体正面左側面。高さは18.2mmと20mmを切る薄さで、14型ではシリーズ史上最薄となっている背面右側面

 これまでのレッツノートシリーズでは、ほとんどのモデルで高さが20mmを上回っており、モバイルノートとしてはやや厚いという印象を持つ人も少なくなかったと思う。それは、軽さと優れた堅牢性を両立するために、ボディはやや厚く、ディスプレイベゼルもやや広めに確保されるためだった。

 その影響もあり、これまではやや分厚く、ディスプレイサイズに対してフットプリントが大きいという点が、競合製品に対する弱点となっていたが、この点がFV1シリーズでは改善されている。

 もちろん、薄型ボディと最薄ベゼル幅を実現しながらも、76cmの高さからの落下試験や100kgf加圧振動試験を始め、様々な堅牢性試験をクリアするという、既存モデルと同等の優れた堅牢性を維持している。

このように、ボンネット構造の凹凸は1mmもない薄さだが、76cmの高さからの落下試験や100kgf加圧振動試験などの堅牢性試験をクリアする優れた堅牢性を維持している

 これまでパナソニックは、優れた堅牢性を確保するためにある程度本体の厚さやベゼル幅の広さが必要と説明してきたが、FV1でそこを打ち破った点は大いに評価できる。とは言え、それならほかのシリーズでもできるはずなので、今後はレッツノートの別シリーズでも薄型化や狭額ベゼル化を進めてもらいたいと思う。

 ボディの薄型化が実現されたとは言え、デザインコンセプトは従来から変わっていない。

 天板には、凹凸はかなり低くなってはいるものの、既存モデル同様のボンネット構造を採用するとともに、フラットかつ直線的なボディとシルバーのカラーからは、ひと目でレッツノートシリーズと分かる。なおカラーは標準のシルバーダイヤモンドとジェットブラックの2色を用意している。

天板部分。ボンネット構造の凹凸はかなり浅いが、デザインコンセプトはこれまでのレッツノートシリーズから大きく変わっていない

 重量は、公称では1,034~1,134g(バッテリーパック(S)搭載時)となる。FV1シリーズの市販モデルでは1kgを切る0.999kgからとなるが、直販モデルでは搭載機能が増えている関係でわずかに重くなっている。それでも14型モバイルノートとしては十分に軽く、優れた堅牢性や薄型ボディと合わせて、軽快に持ち歩けると言える。なお、試用機の実測の重量は1018.5gと、公称よりもわずかながら軽かった。

試用機の実測の重量は1,018.5gと、14型ディスプレイ搭載ながらなかなかの軽さだ