楽天モバイルの「1GBまで無料」は1人1回線まで。契約時の注意点をおさらい

NTTドコモやau、ソフトバンクの3社がそれぞれ20GBのデータ容量を月額3000円以下で使える新料金プランを発表し、対抗を余儀なくされた楽天モバイル。

そんな楽天モバイルが発表した新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」は、これまで提供していた「Rakuten UN-LIMIT V」をアップグレードしたものでした。その内容を詳しく見ていきましょう。

「Rakuten UN-LIMIT VI」は、ひと月のデータ通信量が1GB以下だった場合は無料とし、1GBから3GBまで使った場合は980円、3GBから20GBまでは1980円、20GBを超えた場合は2980円となり、データ通信を無制限で使えるというもの。つまり使った量によって値段が変わる従量制プランです。

ただし、1GBまで無料となるのは一人1回線目まで。楽天モバイルによると、これまで1年間無料の特典を受けている人も、1GBまで無料の対象になるとのこと。2回線目を追加で申し込んだ場合には、1GBまで無料の対象にはならず、0GBから3GBまでが980円となります。

また、特定の条件下では通信速度の制限があることにも注意しましょう。パートナー回線エリアにおいて、高速通信の月間データ使用量(国内5GB・海外2GB)が上限に達した場合、通信速度が遅くなります。制限時の最大速度は国内が1Mbps、海外では128kbpsとなります。

楽天モバイルでは速度制限時を「低速モード」としており、1GBあたり500円のデータチャージにより低速モードを解除でき、当データチャージ分は月間データ使用量には反映されないとのことです。

また、申込受付は楽天モバイルのWebサイトと全国の店舗で4月1日より開始します。既存プラン「UN-LIMIT V」のユーザーは申込不要で自動的にアップグレードとなるのもポイント。プラン変更などの面倒な手続きをせずに済みます。

ahamoなどと比べて何が違うの?

では、NTTドコモのahamoやauのpovoと比べて何が違うのか。ざっくりいえば、楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」は、それらの料金プランよりも1000円安く、無料通話アプリの「Rakuten Link」を使うことで通話し放題となる点が挙げられるでしょう。

そして、契約時にオリジナル端末の「Rakuten Mini」や「Rakuten BIG」などを購入できるのもポイントです。ahamoやpovoなどは、いまのところ端末のセット販売の予定はなく、どの端末で動作するのかもわかりません。


 楽天モバイルの「1GBまで無料」は1人1回線まで。契約時の注意点をおさらい

ちなみに、楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」で動作する端末については、専用のWebページから確認できます。

今後も動作確認が完了したiPhoneを含む端末については、随時、専用のWebページにて案内していく予定(楽天モバイル広報)としています。

試しに最新の「iPhone 12」シリーズでも動作するのか確認してみたところ、SIMフリー版の「iPhone 12 Pro Max / Pro」「iPhone 12 mini」「iPhone 12」では、データ通信、通話、SMS(楽天回線)が使えるようですが、APN自動設定や110/119通話などでの高精度な位置情報測位といった項目には「×」が付いていました。

また、iOS 14.3 の「iPhone 12」シリーズで、楽天モバイル(楽天回線)を副回線として「オンにせずご利用になっている」場合、データ通信ができなくなるという事象が報告されていましたが、iOS 14.4 へアップデートすることで解消するとのことです。

ただし、ファーウェイ製の一部機種にはGoogleのサービスに対応しないものもあるため、Playストアから無料通話アプリの「Rakuten Link」をダウンロードして通話をする、という理想は叶いません。

さて、ahamoなどにはないメリットという点に話を戻しますが、ahamoなどは店頭での申し込みはできず、オンラインからのみ申し込めます。ドコモの関係者によると、基本的に店頭でahamoに関するサポートは受けられないそうです。

一方、楽天モバイルでは587店舗(2020年10月時点)での申し込みができるため、あまり携帯電話に詳しくない人でも店舗で相談しながら手続きができそうです。ちなみに楽天モバイルの広報によると、店頭では、各種サービス・端末に関する相談にも応じるとしています。

もちろん、それだけでなく契約の手続きや端末の購入、SIMサイズの変更、物理SIMからeSIMへの変更(その逆も可)もできます。なお、店舗によっては提供サービスが異なる場合があるため、あらかじめ「店舗紹介ページ」を確認してほしいとしています。

エリアはまだまだ……な状況だが、契約しておくメリットは多いかも

楽天モバイル唯一のデメリットというべきか迷いますが、他社に比べてエリアが充実していないのは周知の通り。

先日の記者会見では、プラチナバンドの取得とは関係なく、現在の周波数で今年2021年夏頃に全国人口カバー率96%を見込んでいるとの発表がありましたが、楽天のエリアが充実したと判断された地域では、KDDI(au)回線のローミング接続が終わることを考えると、どの場所でも安心して使える、とは言い切れません。

とはいえ、ひと月のデータ使用量が1GB以下だった場合は無料となる点や、1年無料の特典を受けられる点などを含め、メリットといえる点は多いはず。さらに、楽天モバイルを契約しているだけで、楽天市場でのお買い物がポイント+1倍になる「SPU(楽天スーパーポイントアップ)」が適用されるので、それだけを目的に契約するのもアリでしょう。楽天のサービスをよく使うユーザーであればなおさらです。

このように、楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」は必ずしもメイン回線に向くとは言い切れませんが、メイン回線とは別に寝かせておく回線としても活用できるでしょうし、いろいろな用途に使えないか、と考えてみるのも良さそうです。