どうすれば、携帯電話料金値下げが実現できるのか?

誰しもが賛成する値下げだが……

 もう何度目だろうか……。国内のほぼ全世帯が料金を支払っている携帯電話料金が再び、政府からの指示によって、値下げする方向が示された。

どうすれば、携帯電話料金値下げが実現できるのか?

 今や人口よりも契約数の方が多い携帯電話は、ほぼすべての国民に欠かせない社会インフラであり、その費用負担が減るのであれば、家庭であれ、企業であれ、誰もが歓迎する話だ。

 しかし、これまでの一連の携帯電話料金値下げの議論では、さまざまな問題が指摘され、必ずしも正しい方向で議論が進められてきたとは言い難い。

値下げは大歓迎だが、ユーザーが納得できる品質の確保を

 こういう書き方ではじめると、筆者が「携帯電話料金値下げに反対している」と勘違いする人がいそうだが、念のため、大前提として書いておくと、筆者は基本的に値下げに賛成だ。筆者はこういう仕事をしていることもあり、各社で複数の回線を契約しており、各社の携帯電話料金の合計額は、月に10万円を軽く超える。この負担が少しでも減るのであれば、大歓迎だ。

 しかし、どんな商品であれ、サービスであれ、単純に「安ければいい」「負担が減ればいい」というものではない。

 たとえば、商品やサービスの品質が著しく低下したり、携帯電話サービスで言えば、エリアが狭くなったり、今よりも利便性が下がるようなことは、当然、避けなければならない。『4割値下げした』ことによって、『4割つながらなくなった』では困るのだ。

 すべてのユーザーのニーズを満たすことは難しいが、多くのユーザーが納得できる品質を保ちつつ、低廉な料金が実現できることが望ましいはずだ。