J:COMで使えるメッシュWi-Fi「Plume」インプレッション:ネットワーク製品のくせにさわるの楽しい

ネットワーク機器のくせにぃ。

以前、米Gizmodoがレビューして「死角なし」と称したメッシュWi-Fi「Plume」。家庭用のネットワークとしては異例のサブスクリプションモデル(年額制)だし、やけにオシャレなデザインが印象的。「日本にも来ないかなー」なんて思ってたら...来ました!

インターネットプロバイダーの「J:COM」が、月額制で利用できるメッシュWi-Fiサービスとして「Plume」の提供を始めたんです。

もうご存知かもしれませんが、メッシュWi-Fiとは複数のアクセスポイントを家の中に散りばめ、アクセスポイント同士が網目状のネットワークを組んで通信するものです。単なる電波の中継ではなく、それぞれのアクセスポイントで負荷分散を行ない、速度の向上、安定を目指す製品です。

今回、そのPlumeの本体をお借りすることができたので、自宅で使ってみました。正直、Wi-Fiルーターみたいなネットワーク製品って「進んで買いたくはないけど必要だからしょうがなく買う」感が強くて、パッとしない印象でした。でもPlumeを試したらそんなネットワーク製品のイメージがガラッと変わったんです。

まず、本体がエレガント

まず本体がめっちゃカッコいいんですよ。なんのオブジェだよ!って突っ込みたくなるくらい。J:COMでは2台から導入できるのですが、最大5台まで増やすことができます。今回は3台お借りしました。

Wi-Fiルーターって、プラスチックでLEDランプがピカピカ光って、なんならデカいアンテナが伸びてて、いかにも〜なモッサリデザインでした。でもそれはもう過去の話のようです。

Plume、写真で見ると金属に見えますが、どうやらプラスチック。でもつるっとしたコーティングがされていて触ると陶器のような質感。謎の六角形デザインも気持ちよくて、なんだかずっと触ってしまいます。コンセントにずっとさしておくモノだというのに、なんでこんなに触感がいいんでしょう。

セットアップもエレガント

セットアップがめちゃ簡単です。とにかく「挿すだけ」なんです。

ちなみに、わが家は1F(玄関)、2F(寝室)、3F(リビング)というタテに長いメゾネット。今までリビングに置いて使っていたアクセスポイント(TP-Link Archer C9)だと、2F寝室で電波が弱まり、速度が半分くらいになってしまっていました。1F玄関ではギリギリ通信できる程度。

こんなわが家がどのくらい改善するのか、試してみます。

J:COMから提供されるPlumeの場合、J:COMのルーターからLANケーブルでPlumeのアクセスポイントのうちの1つをつなぎます。これ、3つのアクセスポイントどれをつないでもOK。だから迷わない。この時点でもうエレガント。

J:COMで使えるメッシュWi-Fi「Plume」インプレッション:ネットワーク製品のくせにさわるの楽しい

つなぎました。ちなみに左右のLANポートどちらに挿してもOKです。直接コンセントに挿せるので余計な配線がなくてスッキリです。

1F玄関。靴箱の上にコンセントがあったのでこちらも挿すだけ...とはいかず。

実は壁ギリギリのコンセントだったので幅が足りず、タコ足タップをかましました。コンセントが枯渇しているお家だと、この直挿し設計は裏目に出るかもしれません。

2Fは廊下のコンセントにサクっと。どうです? Wi-Fiアクセスポイントに見えなくないですか?

さて、LANケーブルも合わせて4回ほどブスッと挿しただけですが、もうセットアップ完了です。

スマホでネットワーク名を選択して、パスワードを入れれば、1F〜3FまでWi-Fiが使えるようになりました。

これはプロバイダーが提供するサブスクサービスだからできることでもあるのですが、届いた状態でアクセスポイント同士はペアリング済み。IDなどもすでに登録されていて、Plumeのクラウドサービスに自動的につながるようになっています。追加のアクセスポイントを導入する場合も、コンセントに挿すだけ。まったく脳を使わずにセットアップが終わります。

アプリとクラウドサービスがエレガント

アプリにJ:COMから提供されたIDでログインすると、こんな画面が。おおー、3つある丸いのがアクセスポイントで、線で繋がってメッシュが組まれているのがわかります。試しに玄関のアクセスポイントをコンセントから抜くと、赤くなって切り離されました。

丸をタップすると、そのアクセスポイントに繋がっている端末を確認できたりします。あ、もちろん自分の端末がどのアクセスポイントにつながるかはPlumeが自動で決めてくれますし、移動しても最適なアクセスポイントに切り替えてくれます。

しばらく使うと速度の履歴や端末の使用率までわかります。使用率のデータはPlumeのクラウド内で学習されていき、どんどん賢くなるそうです。「そろそろアイツが『フォートナイト』始めるころだ...」なんて言いながら帯域の調整なんかをやってくれたりして。

さらに、普通のWi-Fiルーターでは手動でやらなくてはいけないチャンネルの設定なども自動でやってくれます。お隣のWi-Fiとの干渉も自動で回避してくれるってことです。空気読みすぎでは...。

さらにさらに、アプリから子供のスマホの通信を止めたり、危険なサイトへのアクセスを防ぐペアレンタルコントロールの機能も。iPhoneやAndroidスマホでも、スマホの使いすぎを防ぐ機能が増えていますけど、ネットワークから根こそぎ遮断するのが一番効果的ですからね。それがアプリでちょちょいとできちゃうのがすごい。

ちなみに...

デバイスの利用状況やDNSログなどのデータは解析やアクセス制御機能に活用されるため、Plumeのクラウド内に保存されるようです。セキュリティポリシーに守られているとはいえ、ここはこれまでのネットワーク機器と大きく違うところですし、リスクと感じる人もいそう。便利さとのトレードオフです。僕は家のネット環境に時間をかけたくないので、迷わず便利さを選んじゃいますが...。


さて、肝心の通信の改善具合。これまでは3FにWiFiルーターがあり、2Fの寝室では3Fの半分程度の速度、1F玄関ではかすかにつながる程度でした。Plume導入後は3Fと2Fは同じ速度、1Fはその半分程度の速度にまで改善しました。見た目だけでなく、メッシュWi-Fiとしてもしっかり満足させてくれます。

これまで、「壊れたから買う」とか「遅いからもうちょっと高いの買お」くらいにしか考えてなかった家のWi-Fiルーターですが、それはもう昔の世界。Plumeには美しいデザインとモダンなUI、超絶かんたんなセットアップに驚かされました。なんか、ネットワーク製品のくせにさわるの楽しかったんですよね。こんな気持ち初めて。

で、どこで買えるの? PlumeはJ:COMのインターネットサービス「J:COM NET」加入者のみに提供され、月額800円(2台)からとなります。正直、メッシュWi-Fiルーター程度ならまるっと一括で購入したいなぁというのが個人的な本音。ほかのを選べと言われたらそれまでなのですが、体験が良かっただけにPlumeを使いたくなります。プロバイダーありきのサービス体験なのでしょうがないのですが...。(ちなみにPlumeは米国でもサブスクのみ)

Wi-Fi遅くて悩んでる人、特にタテに長いメゾネットに住んでる人は検討の余地アリです。

Source: J:COM