アップルは興味なさそうだけど…グーグルが「メッセージ規格を統一しようよ〜」と呼びかけ

グーグルはまとめたいけど、アップルは興味なし…。

グーグルが普及に注力している「RCS(Rich Communication Services)」。これはSMSやMMSにとって代わる、携帯電話でメッセージを送受信する際の標準規格で、「リッチコミュニケーションサービス」の文字通り、メッセージのやりとりに関する機能がよりリッチになるというものです。

グーグルはこのRCSを、全てのモバイルプラットフォームの標準的なメッセージングプロトコルにしようと注力しています。AT&TやVerizonなどアメリカのすべての通信事業者と連携し、公式メッセージアプリの「メッセージ」でRCSをサポートし、Androidユーザーに向けてRCSサービスを提供してきました。そしてiPhoneにも対応して欲しいと切に願っているようです。

アップルは興味なさそうだけど…グーグルが「メッセージ規格を統一しようよ〜」と呼びかけ

事の発端は、プロゴルファーに関する報道です。プロゴルファーのブライソン・デシャンボーが、チーム内で唯一のグリーンバブル(iMessegeのグループチャット上だと、Androidユーザーだけメッセの吹き出しの色が緑になる)で苦労しているという、小ネタが記事になったんですね。チームメイトの1人は、アメリカのライダーカップチームでデシャンボーが唯一iPhoneを持ってない選手であることを「悩みの種」だと発言。iMessageに必ず1人はいる「グリーンバブル」の人(つまりAndroidユーザー)が、グループチャットを台無しにすると言われる始末です。

これを受けて、同社のAndroid担当の上級副社長、ヒロシ・ロックハイマー氏は、Twitterでちょっとふざけた感じで間接的に、(名指しこそしていませんが)アップルにRCS対応を呼びかけました。

ハートマークでいっぱいのツイートの中でRCSを暗喩して、暗にアップルに呼びかけているんですね。

このSMSベースのプロトコルは10年以上前から存在する標準的なテキストメッセージに豊富な機能を追加したものです。グーグルはAndroidユーザーのRCSへの移行を何年も前から進めてきましたが、通信事業者がなかなか対応してくれず、最終的にRCSが定着するまでに若干の混乱もありました。

アメリカの多くのAndroidユーザーは互換性のあるAndroidデバイスとの通信であれば、メッセージの既読、タイピング状況、位置情報の共有などRCSの機能を利用できます。また、iMeesageで対応しているエンドツーエンド暗号化(暗号化されたデータを送信者と受信者でやり取りし、両端末だけでデータを復号して閲覧する方式。データの秘匿性が高い)がRCSにより可能になります。

ところが、アップルはRCSに対応するつもりはなさそうです。なぜならアップルにとっては必要ないからね。iMessageのグループチャット内に混ざるAndroidユーザーを「グリーンバブル」と呼ぶのも一種の蔑称になっていますが、アップル的にはメッセージ規格をAndroidと統一するよりも「じゃあiPhoneにすればいいじゃない」という感じなんでしょうね。