物理キーボード搭載で3.1型液晶のAndroidスマホ「Titan Pocket」を試す

キーボード好きのためのデバイス

 Unihertzは上海に拠点を置くAndroidスマートフォン開発企業だ。超小型の「Jelly」シリーズから一躍有名になった同社だが、タフネスで小型の「Atom」と、キーボード付きスレート形態の「Titan」を立て続けに投入。Titan PocketはそのTitanシリーズの最新作だ。

物理キーボード搭載で3.1型液晶のAndroidスマホ「Titan Pocket」を試す

 最大の特徴はなんと言ってもスレートでありながらQWERTYキーボードを搭載しているスタイルに尽きる。スマートフォンでキーボードを搭載している端末といえば、かつてのシャープの「W−ZERO3」シリーズが代表するような、キーボード未使用時は隠しておけるスライダー形式が主流。これは電話として使う際にキーボードが不要という発想から来ているのだろう。未使用時に誤入力を防げる、フットプリントを減らせるというメリットもある。

 一方で本機のようなスレート型は、これらのメリットは享受できない。特に画面を一般的なスマートフォンと同じ縦長にすると、縦に長い端末になってしまうのが欠点だ。しかし、キーボードを使いたいときに画面を回転せずにそのまま使える、薄型化しやすいというメリットがある。実際にこの形状を採用していた端末としてはBlackBerryシリーズがあるのだが、本機はそれをオマージュした形だ。

 本機ではQWERTYキーボードを採用しながら、ガジェットとしての奇抜さと携帯性も重視しているため、画面を小型化している。具体的には、716×720ドットという、アスペクト比がほとんど1:1の3.1型液晶を採用している。

実は本体サイズはそこそこ大きいが、十分小ささが感じられる

 考えてみれば、5型前後のスマートフォンで、ソフトウェアキーボードを表示させておいた場合、実際に表示される面積が3型前後であると考えられる。そのため、キーボード入力が前提ならこの小ささは意外にも実用的で、特別違和感を持つことなく使えたりする。

 サイズ感としても期待にそぐわぬ小型さで、小型ガジェットが好きなユーザーなら、手にした瞬間思わずニヤリとすることだろう。ところが実際のサイズは73.2×132.5×16.8mm(幅×奥行き×高さ)と、意外にも大きめ。フットプリントで言えば、手持ちの5.2型のHuawei P9の上下をちょっと切って、厚さを2倍以上にしたようなものだ。重量も実測で220gと重い部類に入る。

 それでもなお本機に妙な小型デバイスとして見え、そのガジェットとしての魅力のある世界観に引き込まれるのは、やはりそこに物理のQWERTYキーボードがあって、その上に小さな3.1型液晶があるからであろう。

重量は公称で216g、実測220gだった