ファーウェイ「P20」

従来のカラー+モノクロセンサーに加えAI機能搭載

 同社は、いろいろなスマートフォンのラインナップを揃えているが、Pシリーズはカメラに特化したモデルだ。2016年の初代P9から始まり、P10を経て、今回のP20で3代目に相当する。

 今となっては一般的になったダブルレンズカメラを早い時期から採用し、加えて、カラー+モノクロセンサーのコンビネーション、LEICAとのコラボ……と、他社にはない特徴を持っている。

 個人的に購入したことはないものの、全モデル、本誌のレビューに限らず、それなりの期間試用したこともあり、画質的にも同時期のiPhoneを上回っている印象で、スマートフォンの中では一番好きなカメラだ。おもな仕様は以下の通り。

ファーウェイ「P20」の仕様
SoCKirin 970 / オクタコアCPU(4コア2.36GHz A73+4コア1.8GHz A53)+i7コプロセッサ
メモリ4GB
ストレージ128GB
OSEMUI 8.1(Android 8.1ベース)
ディスプレイ5.8型/2,244×1,080ドット(アスペクト比18.7:9)
ネットワークIEEE 802.11ac対応、Bluetooth 4.2+LE(aptX/aptX HD/LDAC/HWA対応)
SIMNano SIMカードスロット×2(デュアル4G/デュアルVoLTE対応)
FDD-LTEBand 1/2/3/4/5/6/7/8/9/12/17/18/19/20/26/28/32
TDD-LTEBand 34/38/39/40/41
WCDMABand 1/2/4/5/6/8/19
TD-SCDMABand 34/39
GSM850/900/1,800/1,900MHz
インターフェイスUSB 3.1 Gen Type-C、NFC
前面カメラ2,400万画素/F2.0
背面カメラ1,200万画素カラー/F1.8+2,000万画素モノクロ/F1.6
センサー加速度、環境光、近接、指紋認証、ホール、ジャイロ、コンパス、色温度、レーザー測距
サイズ/重量約70.8×149.1×7.65mm(幅×奥行き×高さ)/約165g
バッテリ3,400mAh、HUAWEI SuperCharge/急速充電対応: 5A/4.5V or 4.5A/5V
カラーバリエーションミッドナイトブルー、ブラック、ピンクゴールド
そのほかUSB-Cハイレゾイヤフォン、USB-C to 3.5mmヘッドフォンジャックアダプタ、保護ケース、ACアダプタ、USB Type-C 2.0ケーブル付属
税別店頭予想価格69,800円前後

 SoCはオクタコアのKirin 970。4コア/2.36GHz Cortex-A73と4コア/1.8GHz Cortex-A53+i7コプロセッサで構成されており、P10に搭載していたKirin 960とは、ダイサイズ、GPU、消費電力、AI処理用の部分が異なっている。

 メモリ4GB、ストレージ128GB、Android 8.1ベースのEMUI 8.1を搭載する。ただしmicroSDカードには非対応だ。

 ストレージ容量が結構あるため、一般的には困らないとは思うものの、たとえば、メディアに音楽などを入れ使いまわしているようなケースには対応できない。ディスプレイは、5.8型/2,244×1,080ドット、標準設定では上部にノッチがあるので、18.7:9のアスペクト比となる。

 ネットワークはIEEE 802.11ac対応無線LANとBluetooth 4.2 BLE。Bluetoothは、aptX/aptX HD/LDAC/HWAに対応する。Nano SIMカードスロットが2つあり、デュアル4G/デュアルVoLTE対応。対応バンドは表のとおりだ。

 カメラは、前面2,400万画素/F2.0、背面1,200万画素カラー/F1.8 + 2,000万画素モノクロ/F1.6。

 インターフェイスはUSB 3.1 Gen Type-C、NFC。3.5mmのヘッドフォンジャックはなく、付属のUSB-Cハイレゾイヤフォンでダイレクトに接続するか、USB-C to 3.5mmヘッドフォンジャックアダプタを使って接続する。

ファーウェイ「P20」

 USB Type-Cは、Displayport Alternate Modeに対応し、ディスプレイへ接続すると通常のミラー表示に加え、デスクトップ的に使えるPCモードを備えている。これについては後述しているので、参考にして欲しい。

 センサーは、加速度、環境光、近接、指紋認証、ホール、ジャイロ、コンパス、色温度、レーザー測距を搭載。

 バッテリは5A/4.5Vまたは4.5A/5Vの急速充電/HUAWEI SuperCharge(約30分で58%充電可能)に対応し、容量は3,400mAh。

 本体色は、ミッドナイトブルー、ブラック、ピンクゴールドの3種類が用意されている。サイズは約70.8×149.1×7.65mm(幅×奥行き×高さ)、重量約165g。

 税別店頭予想価格は69,800円前後で、内容を考慮すると、なかなかリーズナブルではないだろうか。

前面。パネル上部にノッチがあり、前面カメラなどを配置。下部には指紋センサー。写真ではソフトウェア式のナビゲーションバーが消えているが、標準ではオンとなる背面。カメラを意識して、HUAWEIやLEICAのロゴが横位置になっている。光沢があり、若干撮影中のカメラが写り込んでしまった。背面カメラセンサーは内側がカラー、外側がモノクロ左/下。左側面にSIMスロット、下側面にType-Cとスピーカー右/上。右側面に音量±ボタンと電源ボタンNano SIMカードスロット付近。奥側がSIM1、手前がSIM2。microSDカードには非対応付属品。保護ケース、USB-Cハイレゾイヤフォン、イジェクトピン、USB-C to 3.5mmヘッドフォンジャックアダプタ、USB Type-C 2.0ケーブル、ACアダプタ重量は実測で166giPhone Xとの比較。パネルサイズ分だけ大きいが、ノッチの部分は随分狭い

 筐体はツヤありブラック。ガラスパネルとメタルフレームのコンビネーションで、なかなかカッコいい。重量は実測で166g。見た目と重さがマッチするため、持った時に重い印象はない。

 前面は、パネル上部にノッチがあり、前面カメラなどを配置。下部には指紋センサーを搭載。ナビゲーションバーはソフトウェア式だ。

 なお、工場出荷時で保護フィルムが貼られており、今回はそのまま試用/撮影している。

 背面は、カメラを意識して、HUAWEIやLEICAのロゴが横位置に並び、その横に背面カメラがある。内側がカラー、外側がモノクロだ。左側面にSIMスロット、下側面にType-Cとスピーカー。右側面に音量±ボタンと電源ボタンを配置。

 付属品は、保護ケース、USB-Cハイレゾイヤフォン、イジェクトピン、USB-C to 3.5mmヘッドフォンジャックアダプタ、USB Type-C 2.0ケーブル、ACアダプタ。3.5mmヘッドフォンジャックがないのは残念だ。

 5.8型2,244×1,080ドットのTFTディスプレイは、明るさ、コントラスト、発色、視野角すべて良好。高品質パネルが使われている(ただし、それでも最大輝度はiPhone Xの方が明るい)。もちろんタッチもスムーズだ。カメラに関しては、別途記述したので参考にして欲しい。

 ノイズや振動はもちろん皆無。発熱はカメラを連続使用するとそれなりにあるが、他機種と同レベル。とくに問題はない。

 サウンドはDolby Atoms対応。モノラルだが、筐体サイズの割に鳴りっぷりが良い。バッテリベンチマークテストで、50%出力にして鳴らしていたところ、結構煩かった。サイズがサイズなので低音は望めないものの、中域中心でそのままでもそれなりに聴けるサウンドだ。

 イヤフォン接続時も傾向は変わらず、このクラスとしては、安心して音楽が聴けるのはポイントが高い。この点は初代P9とは大きく印象が異なる部分だ(カメラは良かったが、サウンドはイマイチだった)。

 カメラについては後述するが、総合的に非常に良く出来ており、コストパフォーマンスは抜群。満足度の高いスマートフォンに仕上がっている。