ビクター「InterLink XP」

 x86プロセッサが今ほどモバイル寄りに最適化されていなかった2000年代初頭、モバイルと性能は完全に相反する要素だったと言っても良い。メインストリームに耐える性能を追求しようとすると、重量やバッテリ駆動時間が犠牲になり、その逆も然りであった。

ビクター「InterLink XP」

 Transmetaは2000年に、モバイルに最適化したx86互換CPU「Crusoe」を市場に投入した。2003年頃まで国内メーカーから多数の搭載モデルが発売され、強いニーズがある国内のミニノート市場において、Crusoeはサードパーティとしてはかつてないx86互換プロセッサシェアを握り、B5サイズ未満のミニノートは一世を風靡したと言っても過言ではない。本連載の1回目の「Libretto L2」と、2回目「バイオU」も、例に漏れずCrusoeを搭載していた。

 しかしご存知の通り、Crusoeの性能は芳しくないものであった。先述の通り、性能とモバイル要素は相反するものだが、Crusoeはその問題が顕著に露呈したプロセッサだったと言える。これは当時のモバイラーを悩ませたに違いない。